1.

にんげんの皆様の愛情

長寿の秘訣は何か、とあたしはよく質問を受けます。その時真っ先に思い浮かべるのは、19年に及ぶのらちゃん生活の時に、ボランティアさんを始め多くのにんげんの皆様から受けた深い愛情です。

その大きな愛情のパワーのおかげで、あたしは長いのらちゃん生活を無事に終えることができました。確かに中には猫嫌いの人もいて、ボランティアさんに怒鳴りつけたりあたしに石を投げつけてくる人もいましたが、それでもあたしに味方をしてくださる方たちが圧倒的に多かったです。

雨の降る日は傘をさして、車の往来が激しい道路の脇にある電柱の陰でご飯をもらいました。またある時はおうちに入れて頂き、その家の飼い猫と一緒にご飯をもらったこともありました。月日の経過と共にお寺の周囲を少しづつ移動しても皆あたしについてきてくださり、19年間一日も欠かさずご飯を食べさせて頂きました。

寒い夜など暗くて心細く、不安で泣きそうになったことも何度かありましたが、翌日、「さっちゃん!」というにんげんの声を聞くと、嬉しくて大きなドラ声を出して飛んで行ったのも懐かしい思い出です。あたしにとってこの間に多くのにんげんの皆様から受けた愛情は一生忘れられない宝物であり、あたしの生きる原動力になっています。

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2.

争わない、気にしない

あたしは争いが嫌いです。争いになりそうになるとあたしの方が先に逃げてしまいます。これはもって生まれた性格なので仕方がないです。

猫どうしの喧嘩を何度も見てきましたから、あたしは猫に近づかないようにしてきました。それに勝てそうもないし・・・。

だからあたしは猫だけど、他の猫から遠ざかってきました。他の猫があたしに近づいてくると、先に威嚇して追い払う、その後は一目散に逃げる、これがあたしの処世術でした。

それが「猫なのに猫嫌い」とにんげんの皆様の目には映ったのかなぁ。それとなにごとも気にしない。だってあたしはのらちゃんでしたから、あたしが守るものは何もなかったから気にかけることもありませんでした。

でもあたしには過去に二度心を許した仲間がいました。ダーリンとたーちゃんという名の猫です。この猫たちについては、後日お話しますね。

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3.

食餌のコントロール

あたしは一定の食餌の量しか食べません。たまに美味しそうなものがあるとあたしもつい口にしてしまいますが、1分以内にすべて吐き出してしまいます。体が受付けないのです。

いつからなのか、あたしにもよくわかりません。あたしの飼い主は、あたしが所構わず吐き出すので、お掃除するのが大変だとぼやいていますが・・・

(補足:さっちゃんは19年近く、ユニチャーム製の銀のスプーンの缶詰とかりかり、ネスレ日本製のモンプチ総合栄養食のみをもらって生きてきたので、内猫になってからも同じものを食べさせています。 その他の缶詰やお魚・ささみ等を塩気のないように調理して食べさせたのですが、やはり1分以内にすべて吐き出してしまいました。)

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4.

ボランティアさんの意見:さっちゃんは頭がいい

複数のボランティアさんにさっちゃんの長寿の秘訣を尋ねたところ、皆口を揃えて「何といってもさっちゃんは頭がいい!19年間のらちゃん生活を無事に生きてきたのがその証拠!」と答えてくださいました。

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(2013年10月7日)