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もんちゃん事件
8月のお盆のある夜のこと、もんちゃんが血だらけになり、餌やりのボランティアさんを見つけると、大きな声で鳴きながら駆けてきました。驚いたボランティアさんがもんちゃんを見ると、もんちゃんの体の3か所に大きな傷がありました。翌朝連絡を受けた他のボランティアさんたちも、もんちゃんのいる庭園へ駆けつけてきました。もんちゃんをなんとか捕獲して動物病院へ連れて行こうとしましたが、もんちゃんは極度の警戒心を示し、抵抗して逃げまわり捕獲することができませんでした。ボランティアさんたちは仕方なく、もんちゃんの傷口の写真を撮り、それを僕がお世話になっている動物病院の先生に見せて相談したところ、もんちゃんは空気銃で撃たれたことが判明。すぐに先生に診断書を書いて頂き、ボランティアさんたちは手分けして管轄の警察署や保健所等をまわりました。
どこでも一応話を真剣に聞いてくださいましたが、被害者は猫なので「器物損壊罪」にしか問えず、結局は環境省と警察庁連名の動物虐待防止のポスターを近隣に貼ってもらうことと、所轄の交番にパトロールを強化してもらうことしかできませんでした。
また、もんちゃんが空気銃で撃たれ、茶太郎君が行方不明になったのと時を同じくして、もんちゃんと茶太郎君を含めた庭園の猫たちの写真と記事が、場所を明記し、ある大手新聞の朝刊に掲載され、動画がユーチューブでも紹介されました。その記事や動画の内容は、ほんわかとするようなもので、行ってみようかなと誰にでも思わせるようなものでした。ボランティアさんや猫好きの方たちも、自分たちが手塩にかけて大事に世話してきた猫たちが大手新聞に掲載され、動画で紹介されたのですから、最初は嬉しくて、ユーチューブの動画を繰返し観ていたそうです。
しかし、動画に出てきた一部の猫たちが今回の事故に巻き込まれたため、この新聞や動画を見て心無い人が今回の事件を引き起したのでは、と考えた人もいて、新聞社に抗議をしたらしく、この動画はアップロードされてまもなく削除されてしまいました。
僕はそんなことはないと信じたいのですが、今の世の中、場所を特定した猫の記事を載せると、そこへ猫を捨てていく人、猫を虐待しにくる人が必ずいるそうです。そのため暗黙の了解で、わかる人にはわかるのですが、不特定多数の人が目にする媒体では、猫のいる場所の特定を避けているとのことです。
更に、地域猫たちが幸せそうに見えるのは、陰でボランティアさんたちが執拗な嫌がらせにも耐え、防壁になって守ってくれているからです。これは他の地域でも同様らしいです。
茶太郎君はようやく戻ってきたのですが、最初はにんげんを見ると怖がって隠れてしまいました。あれほどにんげんが大好きで、にんげんを見るとすりすりしていた猫とは思えないほどでした。
先生の話では、もんちゃんの体に弾丸が残っていると即手術になるとのことでした。それが一番心配で、ボランティアさんたちは捕獲のプロのTさんに、もんちゃんの捕獲をお願いしました。でももんちゃんは非常に用心深く逃げ回るので、3度の捕獲も失敗に終わりました。(この時の詳細はTさんのブログに書かれていますので、そちらを観てください。3回に分けてもんちゃんのことが載っています。)
最後の捕獲も失敗に終わりましたが、もんちゃんの傷口の詳細な写真が撮れたので先生に見せると、もう治ってきているから大丈夫とのことで、皆一安心したようです。結局、もんちゃんは40日間抗生剤を飲んだだけで快復してきました。
Tさん、お忙しいのにわざわざ時間を割いていただき、ありがとうございました。
事件の前はツンデレのもんちゃんでしたが、今はボランティアさんにべったり甘えて、あとをついてくるそうです。よかったぁ〜、これで一安心です。
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もんちゃん、僕もどうなるかと心配だったけど、もう大丈夫だね。僕が地域猫だった時に、僕がいつもいた場所でもんちゃんが空気銃で襲われたと聞きました。もし僕がまだ地域猫だったら、僕が撃たれていたかもしれないと思うと、僕も怒りがこみあげてきます。猫嫌いはしかたないです。でも僕たち猫は、にんげんに対して何も悪いことはしていないのだから、せめて猫に危害を加えることだけは止めてほしいです!
ガンバ二世
(平成26年10月19日)
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