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コッコちゃん
コッコちゃんは青森市在住のYさん宅で飼われていた猫でしたが、2009年4月9日、いつものように元気に外へ飛び出して行く姿を見たのが最後になったそうです。そのため、Yさん宅ではその日をコッコちゃんの命日とし、今でも思い出すと涙が止まらないとのことです。行年7歳でした。コッコちゃんについては、飼い主さんが懐かしく当時のことを語ってくださいました。
コッコちゃんは女の子でしたが、活発に動く様子が小鳥のようだったのでそのように命名しました。外が大好きで、他の猫たち同様自由に家と外とを行き来させていました。猫って本来外で自由に遊ばせるものだと思っていました。コッコちゃんが行方不明になるまでは・・・。
2009年4月9日、コッコちゃんはいつものように外へ飛び出していきました。「すぐ帰ってくるのよ〜」「にゃ〜、わかってる〜」と言わんばかりに、振り返りもせずに。しかし夜になっても帰ってきませんでした。それまでも、捜しに行っても見つからず、一晩位どこかに寝ていたり遊んでいたりで帰ってこないことがありましたが、翌朝、居間の戸口に座って入れるのを待っているような子でした。
その時も、明日はきっと帰ってくるだろう、と待っていたのに帰ってきませんでした。その翌日も、更にそのまた翌日も・・・。家族全員で遠くまで車を走らせ、夢遊病者のように「コッコちゃ〜ん」と叫びながら2ヶ月間ほど必死に捜し回りました。その後も諦めきれず、ず〜っと捜していました。

当時同居していた仲よしのわんちゃんと。
コッコちゃんの思い出話です。
家の裏通りに居酒屋「のんべい」と言う飲み屋さんがあり、夕方開店するとコッコちゃんは、家で食餌を済ませると毎晩のようにその居酒屋さんに入ってカウンター越しにお客さんを見ていたということです。それで、お客さんからコッコちゃんは「店長、てんちょう」と呼ばれて可愛がられていたとのことでした。居酒屋のママさんが猫好きで、お店の勝手口に魚の残りとか猫用のカリカリを置いておくので、のらちゃんの集合場所になっていました。
コッコちゃんは、「コッコちゃん」と呼ぶと必ず「にゃ〜」と応えて飛んできましたし、電話の向うから友人が「コッコちゃん」と呼んでも「にゃ〜」と電話口で応える可愛い猫でした。あの時、コッコちゃんが外へ出た時に、すぐ追いかけて連れ戻せばよかった、と今でも悔やまれます。

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このような話を聞くと、僕までも悲しい気持ちになります。でもコッコちゃんのお母さん、コッコちゃんが突然居なくなったのは、恐らくコッコちゃんのコンパニオン・アニマルとして果たすべき使命が尽きたからだと僕は思います。どんな別れ方をしても、僕たち猫は大好きな飼い主さんたちのことをひと時も忘れることはありません。コッコちゃんは虹の橋のたもとで、いつか飼い主のお母さんたちと再会できる日を楽しみに待っていることでしょう。
(平成26年5月26日)
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