さっちゃんの闘病日記

さっちゃんは高齢猫(*)ですが、つい先日まで高いところを軽々と飛び跳ねていました。しかしここへきて様子がおかしいので、動物病院へ連れて行きました。

さっちゃんは現在21歳、来年の4月に22歳になります。 さっちゃんの年齢については、「20歳を超えているのは確実」としかわからなかったのですが、2年前にさっちゃんが1歳の時に生んだ子供(♀)を引き取って育てている、という方に偶然お会いし、その子供の年齢から手堅く、さっちゃんの年齢を現在21歳と計算しました。(さっちゃんは1歳の時に一度だけ出産しています。その後当時の飼い主の方が、さっちゃんに避妊手術をさせました。) ところが、当時のさっちゃんをよく知る方たちが他にも何人かいらっしゃって、その方たちの話では、さっちゃんは24歳位とのことでした。また、さっちゃんの別の子供(♀)を引き取っている方の話から考えても、さっちゃんは24歳位になります。

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2013年12月2日(月曜日):
さっちゃんはこの数ヶ月体重が徐々に落ちてきました(2.25 kg)。 動物病院で精密検査を受けた結果、「左の腎臓が腫瘍で覆われ全く機能していないが、右の腎臓は現時点では正常に機能している。また、脱水症状を引き起しており鼻水がかなり出ていたけれど、これは極度の貧血からくるものである」とのことでした。 さっちゃんの年齢を考え、腫瘍をとる外科手術はお断りしました。先生も同意見でした。 血液関連の数値の大部分が規定値から外れていました。そのため血の循環が悪くなり食欲も落ちてきている、とのことでした。しかし先生の話では、「このような元気なねこは(さっちゃんは先生に向ってしきりに威嚇していました)、血の循環が良くなり食欲が出てくればもっと生きる」とのことでした。(この一言で、ホッとし、嬉しくなりました。) 今日のステロイド注射の結果を見て、造血剤を点滴注射することになります。そうすれば元気になる、というお話でした。

 
 

<血液検査結果>
RBC(赤血球数):368
PCV(赤血球容積比):18.3
Hb(ヘモグロビン):5.8
TP(総タンパク量):6.2
WBC(白血球数):20000
PLT(血小板数):29.8

GPT(肝酵素):18
ALB(アルブミン):2.3
ALP(胆道系酵素):62
BUN(腎機能):51.6
Cr(腎機能):1.1
GLU(血糖値):105
TG(中性脂肪):94
TCHOL(総コレステロール):157
Ca(カルシウム):8.2→9.4
P(リン):4.3


(規定値:550〜1000)
(規定値:32〜45)
(規定値:10〜15)
(規定値:6.0〜8.0)
(規定値:5500〜19500)
(規定値:30〜80)

(規定値:29〜84)
(規定値:2.1〜3.3)
(規定値:62〜212)
(規定値:17.0〜40.0)
(規定値:0.6〜2.0)
(規定値:69〜146)
(規定値:18〜69)
(規定値:53〜164)
(規定値:8.2〜11.9)
(規定値:2.6〜6.0)

12月5日(木曜日):
昨日からあまり食べ物を口に入れなくなりました。今日も点滴注射を打ってもらいました。先生がチューブから栄養剤をさっちゃんの口へ無理やり押し込んでくださいました。先生の話では、「入院させればいいのかもしれないけれど、さっちゃんにはストレスが大きくなり可愛そうなので、できたら毎日点滴注射を打ちにきてください」とのことでした。体重も引き取った時は4.0 kgでしたが、いまは2.25 kgしかありません。 家に帰り、こうばこ状態でボーっとしています。あのすごいドラ声も出てきません。食べ物も受付けません。水は少し飲んでいます。

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12月6日(金曜日):
点滴注射の後、先生が手ですくってヒルズの特別療法食をさっちゃんの口へ近づけると、美味しそうに食べ出しました(計4回)。先生が、「食べた!」と大喜びでした。「生きる望みのあるうちは最善の努力をするのが私の信条です」、とおっしゃってくださいました。 点滴注射の結果、腎臓の汚れがとれてきて気持ちが悪いのが薄らいできたのか、食欲がでてきました。それと、チューブタイプの高カロリービタミンミネラルサプリメントも口の中へ押し込むと食べ出しました。この2種類を病院で買ってきてさっちゃんに食べさせると、ものすごい勢いで食べました。

 

12月7日(土曜日):
点滴注射を打ってもらいました。療法食を美味しそうに食べています。かなり元気になってきました。

 

12月9日(月曜日)、10日(火曜日):
体重が2.54 kgまで上がってきました。今日も療法食を平らげました。しかし、あれだけ好きだった銀のスプーンの猫缶を食べようとはしません。 おしっこの回数も若干減ってきました。(病院へ行く前は毎日5〜6回でしたが、今は毎日3〜4回です。) 「さっちゃん本舗」の中に入って気持ちよさそうに寝てばかりいます。(お店は臨時休業状態です。)

 

12月11日(水曜日):
今日は動物病院はお休みです。

 

12月12日(木曜日):
今日も病院で点滴注射をしてもらいました。体重は2.5 kg。療法食を口に持っていったり、食べるまで一緒にいると普通に食べています。日中は、「さっちゃん本舗」の中で寝てばかりいます。


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12月13日(金曜日):
病院で点滴注射をしてもらいました。体重は2.34 kg。昨夜から今日病院へ行くまでほとんど食べませんでした。院長の話では、「鼻が詰まっており、これじゃ何も食べられないな」とのことで、きれいに拭き取って頂きました。(家で何度もさっちゃんの鼻を拭いてみましたが、こびりついてうまくとれませんでした。)今日から点滴をする抗生剤の種類が変わりました。

 

12月14日(土曜日):
今日も点滴注射をしてもらいました。体重は2.22 kgまで落ちてきました。しかし先生の話では、抗生剤の種類を変えたので、一時的に体重は減っても問題はないとのこと。機能していない左腎の老廃物をおしっことともに流しだすので、一時的に体重は下がるとのことでした。鼻水もでていましたが、新しい抗生剤の副作用とのことです。少し元気になり、家へ帰ってから療法食を食べました。

 

12月15日(日曜日):
今日は病院は午前中のみで、いつも車を運転してくれる知人が所用で行けないので、点滴注射はありません。家で体重を測ったら2.3 kgでした。鼻水がかなり出ており、午前中はあまり食欲はなく、ガラス戸から差込む太陽の下、エアコンの入った部屋の中でずっと寝ていました。夜になって少し食欲が出てきて、ヒルズの療法食を一缶の1/4ほど食べました。あと市販の牛乳(キャティーマンのネコちゃん牛乳)を50 ml飲みました。

 

12月16日(月曜日):
最近さっちゃんは非常に痩せてきたので、病院で体重を測ってもらうと2.06 kgでした。朝から何も食べません。鼻水も家ではとれないので、先生に拭いてもらいました。一応点滴注射をしましたが、酸素ルームに入ると楽になるかも知れないとのことなので、入院させることになりました。再度詳細な血液検査をするとのことでした。

 

12月17日(火曜日):
朝一番に病院へ電話を入れました。さっちゃんは少し元気が出てきて、療法食を2度平らげたとのことでした。血液検査の結果、腫瘍が他の臓器にもかなり転移していることが判明。そのために食べられなくなっているようでした。抗がん剤は弱いものしか使えず、どれだけ効果があるかわからないという話でした。午後からさっちゃんのお見舞いに行くと、昨日よりは元気そうな顔をしていました。酸素ルームのお陰でかなり楽になってきているようでした。一応このままあと2日ほど入院させることになりました。急にどうかなることはなく、一進一退でだんだん弱っていくようです。

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12月18日(水曜日):
今日は病院はお休みです。さっちゃんは病院にいるので安心です。どうか病院からの電話がありませんように、と祈るばかりです。

 

12月19日(木曜日):
朝一番に病院へ電話を入れました。精密検査の結果、腫瘍がかなりの範囲に転移しており、腸管を圧迫しているため食べられない状態になっているようです。腎臓の数値は改善しているのですが。
昨日は朝は何とか食べたのですが、夜はあまり食べなかった。今日の朝も食べないので、点滴で口から食餌を入れてみるとのことでした。この時点で一番効果的な方法は抗がん剤を使うことのようですが、その副作用でかえってさっちゃんを苦しめることになるため、使用をためらっているとのことでした。
恐らく年は越せないようです。午後から面会に行きましたが、さっちゃんは一回りも二回りも体が小さくなっていました。ただ酸素ルームに入っているので、気分はいいようです。「さっちゃん!」と話しかけると、小さな体でこちらをじっと見ていました。

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12月20日(金曜日):
朝11時頃病院へ電話を入れました。さっちゃんは三口のみ食餌をしただけで、大きな息をして苦しそうにしているそうです。
夜6時半にさっちゃんのお見舞いに行きました。口を大きく開けて息をしていました。栄養剤も点滴されているので、少しはよくなっていますが、もう時間の問題のようです。酸素ルームから出せない状態なので、このまま病院で看取って頂くことになりそうです。
さっちゃんはもうお家に帰ってくることもありません。主の居ないさっちゃん本舗も開店休業のままです。

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12月21日(土曜日):
朝9時に病院へ電話を入れました。さっちゃんはもう瞳孔が開いて危篤状態とのことでした。幼い時からさっちゃんをずっとお世話してくださったボランティアさんたちにも連絡、急いで病院へ駆けつけました。
さっちゃんは私たちを見ると、何かを訴えるような様子で「ア〜」と声を出し起き上がろうとしていました。(苦しくて声を出しているのではない、と先生もおっしゃっていました。)あとで皆で話し合ったのですが、さっちゃんは最後に「ありがとう!」と言いたかったのではと、それぞれが同じように受け止めていました。
さっちゃんは明け方の状態よりは、少し持ち直しているとのことでした。
さっちゃんの会いたかった方たちが皆駆けつけてくださったので、さっちゃんは満足しているようでした。

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12月22日(日曜日):
朝9時40分頃、動物病院へ到着。さっちゃんは誤嚥の恐れがあるため、口からではなく足から点滴を受けていました。また、おしっこも先生が手で押出したとのことでした。そのため、昨日よりは顔がすっきり、目はしっかりとしていましたが、また一回りさっちゃんの体が小さくなっていました。「さっちゃん!」と呼びかけると、また「ア〜」と声を出して何かを訴えるようなしぐさをしていました。先生によると、これほど生命力のある猫はあまりいないそうです。「猫じゃないみたい」ともおっしゃっていました。あと数日はもつかもしれない、とのことでした。
さっちゃんを見舞った後、私たちは急遽車を走らせ、さっちゃんを乗せてよく参拝に訪れた香取神宮と鹿島神宮へ行き、「さっちゃんが苦しまないように虹の橋を渡れますように!」と祈願をしてきました。それと香取神宮で、さっちゃん用に「厄除・身代り守」を頂いてきました。明日さっちゃんに持っていきます。

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12月23日(月曜日):
朝10時50分頃、さっちゃんのお見舞いに行きました。さっちゃんは呼びかけると、相変わらず「ア〜」と答えていました。さっちゃん用の「厄除・身代り守」を傍に置き、たくさん撫でてあげました。先生のお話では、「今日か明日が最後」とのことでした。何かあったらすぐ電話してくださるとのことでした。

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12月24日(火曜日):
今朝、病院の先生からさっちゃんが亡くなったと電話を頂きました。6時55分だったそうです。すぐにさっちゃんがお世話になったボランティアさんたちに連絡。時間を待ち合わせて午前11時に病院へ到着。先生たちが供えてくださった綺麗なお花の傍らで、さっちゃんは安らかに眠っているようでした。まだ体温が温かく、「さっちゃん!」と呼べば起きてきそうな錯覚を覚えました。先生からひと通り説明を受けた後、車でさっちゃんを家まで運びました。今日は家でゆっくりとさっちゃんをねぎらってあげようと思います。(病院の先生からも、「ぜひ家へ連れて帰ってください」と言われました。)
ペット葬儀社で明日の午後1時から立会い火葬をして頂きます。そして、ボランティアさんやお寺のお上人(お経をあげて頂きます)の都合を聞いて、後日さっちゃんのお別れ会をすることになりました。
(「さっちゃんって凄いなぁ〜。猫なのにこれだけのにんげんを動かすなんて!」とつぶやいている方もいました。)

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12月25日(水曜日):
午前11時15分にペット葬儀社へ到着。病院で処置をして頂いたさっちゃんの遺体を、桐の棺へ移して頂きました。今日は平日であり、みな年末で仕事が休めないので、立会人は2人のみです。この葬儀社は過去に複数の猫もお世話になっており、勝手がわかっているので不安はありません。みなから預かったたくさんのお花でさっちゃんの遺体を覆い、さっちゃんの大好物や先日香取神宮から頂いてきたお守り、さっちゃんの大好きな諏訪大社のお守り、それから3点セット(六文銭、守り刀、お別れ札)も棺に入れて頂きました。
さっちゃんの遺体は既に死後硬直が始まっているはずなのに、棺へ移しかえた時、生きているように体が柔らかでした。
火葬中は待合室で待機。火葬後、お骨を拾って骨壷に入れてもらい、家へ帰ってきました。

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さっちゃん、見事な「猫生」でしたね。それから、一緒に暮したのが1年10ヶ月余と短かったけれど、あなたからたくさんのことを学びました。本当にありがとう!いまはあなたの大好きなののちゃんやその他のにゃんこちゃんたちと、虹の橋のたもとで会って何を話しているのかな・・・みなによろしくね!!飼い主より

ボランティアさんたちと、さっちゃんの21歳の誕生日をお祝いした時の写真です。みなさんがさっちゃんのために買ってきてくださった小物を、さっちゃんに着せあって大笑いし、楽しいひとときを過ごしたのがつい先日のような気がします。
(2013年4月20日撮影)

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(合掌)